株式会社ワイエイチシー(坂田志郎)が運営する「ライフハックファーム」は、InstagramやLINEなどのSNSで幅広く宣伝されている副業案件です。
しかし、その実態は詐欺的な側面が強く、参加者を様々な手口で金銭的な被害に遭わせようとする悪質な副業であると言えます。
タップするだけと喧伝する大半の副業は詐欺
この副業の最大の特徴は、あたかも”画像をタップするだけで簡単に収入が得られる”かのように装っている点にあります。
SNS広告では、
「スマホで気軽にタップ作業をするだけで驚くべき収入を手に入れられる」
「お金の悩みが一掃される」
などと書かれており、言葉づかいも丁寧で分かりやすく、手軽に始められる副業であるかのような印象を受けます。
しかし、実際にこの広告のリンクをたどっていくと、次第にその不自然な部分や怪しい点が露呈してきます。
まず、具体的な収入を得る方法については一切説明がありません。
副業の内容や仕組み、どのようにして収益が発生するのかについて、なんの解説も記載されていないのです。
最悪個人情報を抜き取られて終わり
さらに登録の際に、電話番号や現在の借入状況、クレジットカード限度額などプライバシーに関わる質問があり、個人情報を抜き取ろうとする狙いがあることが伺えます。
登録後も、適性診断を名目としたアンケートに回答を求められますが、こうした個人情報は後に勧誘される高額な”サポートプラン”への契約可能性を判断する材料として利用される可能性が高いと考えられます。
登録の最終段階で、1,980円の電子マニュアル”サポートガイド”の購入が義務付けられます。
しかしこのガイドブックには、実際に稼ぐための具体的な手順や情報はほとんど書かれていません。
サポートガイドの本当の役割は、まずユーザーにある程度の現金を支払わせることにあると言えるでしょう。
サポートガイドを手にした参加者は、中身が極端に薄いことから不安を抱えるはずです。
最大で150万円もの高額教材をセールスされる
そうした参加者に対して、営業の電話がかかってきて高額な”サポートプラン”の契約を迫られます。
このプランでは、専門家によるマンツーマンのサポートや確実に稼げる秘訣が提供されるかのように装われていますが、実際は内容が何もない、いわゆる”なりすまし詐欺”の典型例です。
プランの契約金額は最低で数十万円からとされ、最大で150万円を超える超高額となっています。
さらに、このサポートプランを契約するにあたって、すでに借金があったり、お金に困窮している参加者に対しては、消費者金融から借り入れをすることを勧められるケースもあると言われています。
つまり、借金を重ね、さらに膨大な契約金を払わされるという、極めて悪質な手口が用いられているわけです。
一方で、返金保証やクーリングオフの規定を見ても、参加者の権利がほとんど守られていない状況がうかがえます。
サポートガイド代金の返金条件は、1日15分以上の作業と1円以上の収益が必須とされており、極めて厳しい設定になっています。
またサポートプラン代金の返金については一切触れられておらず、高額な出費を強いられた参加者の被害が重大化するリスクがあります。
株式会社ワイエイチシーに関して
運営会社の株式会社ワイエイチシーについても、不審な点が目立ちます。
特定商取引法に基づく表記を確認すると、事業内容はWebマーケティングやインターネット広告と記載されているだけで、副業案件の運営との関係性が不明確です。
ホームページを見ても、ライフハックファームについての説明はまったくなく、別会社が実際の運営主体なのかもしれません。
このように、ライフハックファームには詐欺的な要素が随所に見て取れます。
簡単に稼げると謳った広告の呼び込みにつられてお金を払ってしまうと、最悪の場合、多額の借金を抱えてしまう可能性さえあります。
一方的に高額なサポートプランを押し付けられ、返金や解約もできなくなってしまう危険性が極めて高いためです。
優良な副業案件は確かに存在しますが、怪しげなSNS広告だけでなく、信頼できる情報源からも幅広く収集し、自身の状況に合った最適な選択をする必要があります。
万が一被害に遭ってしまった場合でも、決して諦めずに権利を主張し続けることが重要です。
そうした一人一人の意識の向上が、健全な副業業界の発展につながっていくはずです。
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